内容紹介日本映画史が生んだ巨人・小津安二郎 全体像を初めて明らかにする決定版●全作品を戦前・戦後に分けて収録 小津安二郎の活動期を戦前、戦後に分け、それぞれ上・下巻の二巻構成とし、最終型の撮影台本を製作年度順に収録。 小津自身の書き込みや注意書きも、可能な限り再現。●フィルムのない映画を撮影台本で読む 小津の若き日の作品には散逸したフィルムが多い。 エロティック・コメディ『肉体美』、江戸洒落本の世界を描く『宝の山』、 大スタア栗島すみ子を起用した『結婚学入門』、ナンセンス・コメディの傑作『足に触った幸運』『お嬢さん』等々。 川喜多記念映画文化財団に唯一残った貴重な撮影台本をデジタル・カメラで複写、映像を彷彿させるその作品世界を綿密に再現した。●存在しない台本を復元 台本もフィルムも散逸し、幻と言われた初期作品『和製喧嘩友達』のフィルムがこのほど発見された。 東京国立近代美術館フィルムセンターの協力を得て、野田高梧脚本を復元して収録した。 同じく台本の散逸した『突貫小僧』も池田忠雄脚本を復元して収録。●初紹介作品を収めた付録 下巻付録には小津が執筆に参加した未監督作品を収録。 昭和二年、二十三歳の小津が書いたデビュー作や、戦時下に書かれた『ビルマ作戦、遙かなり父母の國』、 TVドラマ『青春放課後』、遺稿『大根と人参』ノートなど、本邦初紹介の作品が並ぶ。●充実した作品データ&小冊子 小津の全作品に関して、スタッフ・キャスト・上映時間・公開日・上映館などもれなく掲載。 最新資料による小津安二郎年譜、および編者による全作品解説を付す。 また上下各巻に小冊子を添え、評論家・佐藤忠男、川本三郎両氏と、編者の井上和男の座談会を掲載する。●構成・造本・体裁 厖大な作品のすべてをコンパクトに収める三段組・上巻七三六頁、下巻六七二頁。 文字は読みやすい大きな活字を使用、新仮名・新漢字に統一した。 A5判上製で表紙はクロス装、堅牢な函入り。